
生きること。
それは、自分を生け贄に差し出すことだと信じていた。
それが、この人間奴隷化システムを持つ
この世界で生きるということなのだと。
手かせ、足かせ。
柔らかい心を
この世界の鋳型に押し込み、
はみ出した自分を「最悪」だと決めつけ、
ありのままの自分を虐げながら生きること。
それが、この世界を生きることだと
信じていた。
社会という
人間奴隷化システムに隷属すること。
それしか、生きる道はないのだと。
けれど人間は
辛い経験を重ねるほどに
その矛盾に気づく。
そして知る。
その鋳型は
隷属化システムが作ったものだと。
自分の手で
壊せるのだと。
意外なほど、脆い。
やがて時が来る。
持てる最大の力で
その鋳型を打ち砕く日が。
柔らかく
そして美しい形の
わたしの心が
生き生きと
その姿をあらわす。
それでも、ときどき
はめられてもいない
手かせや足かせが
わたしを縛る。
ただの記憶なのに。